金環日食

今日は東京で金環日食が見られた。
思えば子供の頃、家にはブリタニカの百科事典があった。
私の両親は共働きだったので、おもちゃを買い与えて一人遊びさせるという感じだった。良くいえば放任主義、悪くいえば放ったらかしだ。

幼少期は玩具、小学校に上がる時に家にやって来たのがブリタニカ百科事典だった。誰に教えられたワケではないが、本を読むのは好きだった。その中に「日食」の写真があった。

子供の私は一目見ただけでその神秘の天体ショーに魅せられた。見たい! 絶対見たい! その直後ニュースで「今夜皆既月食が見られます」というのが。
皆既月食はすぐ見られたので日食もすぐ見られる、なんて浅はかな考えは持たなかった。なぜなら百科事典には、何百年に一回見られるかどうか?、って書いてあったから。

父に聞いたら戦前に静岡で見たって言ってた。母は見た事ないって。
やっぱり簡単に見られるもんじゃないんだって思った。
だからこそ、今回東京で見られるってわかった時から本日21日の天気が気になって仕方なかった。肉眼で見たい!
日食メガネも厳選した。厳選した結果、円谷プロが出したウルトラアイ型の日食メガネにした。見た瞬間これしかない!って思ったさ。だってセブンの本放送やってた頃に読んだんだもん、ブリタニカ。

昨日天気予報で曇りって言ってた時は日頃の行いが悪い奴らがたくさん住んでいるって恨んだ。だが実際、その雲が自然のフィルターになって金環食の時は日食メガネ越しじゃなくて、本当の意味の肉眼で太陽と月の天体ショーを拝めた。ああ、なんとありがたい事だろう。

東京には日頃の行いが良い人がたくさん住んでいるのだ! ありがとう、みんな!w

直後に弟から電話があった。弟も母も金環日食を見られたと喜んでた。父は結局人生で一度だけ日食を見て死んだが、家族で父だけだったのがこれで家族全員見られたわけだ。ありがたい事である。

子供の頃からの細やかな夢だったけど、達成できて今日は気分がいい。